歯科医院に対する考え方は日本と欧米で差があります。日本人は「歯科医院は症状がすすんでから行くところ」というイメージを持っていますが、欧米人は「歯科医院は健康な歯をキープするためのメインテナンスに行くところ」だと考え、積極的に歯科医院を利用しています。
今、日本でも関心が寄せられている「予防歯科」はお口の健康維持と美しい歯を育てることが目的です。お子様であれば虫歯のない環境づくり、大人の方であれば治療した虫歯や歯周病の予防を可能にします。
毎日しっかりブラッシングしているつもりでも、プラークが残っていたりお茶やタバコなどで色が付いてしまったりと、自分では完全に汚れを落としきれないものです。
「虫歯なんて治療すれば良い」という考えではいけません。治療を繰り返せばダメージも蓄積されます。
歯にダメージを与えず健康な歯を維持していくには、歯科医院での予防歯科の受診が必要なのです。
日本歯科医師会では「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」をスローガンとした運動「8020運動」を提唱。当院でもこの運動を推進しています。
毎日しっかりブラッシングしているつもりでも、どうしても取り除けないプラークなどの汚れがあるもの。この部分を歯科医師や歯科衛生士が専門器具を用いてクリーニングすることを「PMTC」と言います。虫歯や歯周病の予防効果に加え、歯を強化し、着色を除去する効果があります。
ミュータンス菌などの細菌が増殖し、歯の表面にバイオフィルムと言う膜を形成します。PMTCの効果は、きれいな歯を維持し、口臭を予防する以外に、バイオフィルムを破壊する効果があります。それによって菌の力を弱め、虫歯になりにくい口腔内をつくるのです。また、歯周病の予防にもつながります。
虫歯は進行すると自然治癒しません。そこで虫歯抑制に効果的なのが「フッ素」です。歯にフッ素を直接塗布することによって歯の質を高めることができます。
フッ素塗布には「トレー法」と「綿球法」があり、歯面への塗布はフッ素を小綿球で塗るのが一般的で、その後しばらく口をあけたまま歯を乾かします。
フッ素塗布液を染み込ませたろ紙などをトレーの中に入れ、これをくわえて歯に塗布する方法
小綿球にフッ素塗布液を含ませ、歯に軽く押し当てて塗布する方法
歯に痛みがなくても、3カ月~6か月に1度の検診をお勧めします。
初期段階で自覚症状のない歯の病気の兆候を発見できるからです。
また、早期の処置により歯のダメージや痛み、費用などのリスクが軽減されます。
検診では、歯、歯肉などお口全体の状態を診ます。
最近検診に行っていないという方は、この機会にご相談ください。